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Reply To: 展開について
fumiさん、ご質問ありがとうございます。
書籍の8ページの「これがタイせつ」に、
(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd
の公式がのっています。
公式を覚えることは大切ですが、いきなり丸暗記をするのは大変なので、
「なぜこの公式になるのか」のからくりを知っておくと、
公式が覚えやすくなり、テストなどでスラスラと公式を使えるようになるので、おすすめです。
ということで、なぜ、
(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd
となるのかについてくわしく解説します。
まず、本の6ページにのっている「分配法則」についておさえる必要があります。
① a × (b+c) = ab + ac
② (a+b) × c = ac + bc
例えば、
2 × (3 + 4)
という式があったら、かっこの中を先に計算するので、
2 × (3 + 4)
= 2 × 7
= 14
となります。ここまでは小学校までの範囲ですね。
ですが、
① a × (b+c)
という式の場合、b+cの数が何なのか分からないので、
「かっこの中を先に計算する」ことができません。
そこで、かっこの中を計算しないまま、かっこを外す計算の仕方が「分配法則」です。
※当然、
2 × (3 + 4)
という式でも分配法則を使うことができて、
2 × (3 + 4)
= 2×3 + 2×4
= 6 + 8
= 14
となり、先ほどの計算結果と同じになります。
② (a+b) × c = ac + bc
についても同様です。
さて、
(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd
についても、全く同じようにこの分配法則を利用します。
まず、(c+d)という数が何なのかは分からないので、
c+d = X となる新しい文字「X」を考えます。
すると、
(a+b)(c+d)
= (a+b)X
となるので、分配法則②が利用できます。
(a+b)X
= aX + bX
ここで、Xをもとの(c+d)に戻すと、
aX + bX
= a(c+d) + b(c+d)
となります。すると、前の項と後ろの項それぞれに分配法則①が利用できるので、
a(c+d) + b(c+d)
= ac + ad + bc + bd
となります。
以上の計算式をまとめると、
(a+b)(c+d)
= (a+b)X ※(c+d)をXに置き換え
= aX + bX ※分配法則②
= a(c+d) + b(c+d) ※Xを(c+d)に戻す
= ac + ad + bc + bd ※分配法則①
となり、当初の公式であった
(a+b)(c+d) = ac + ad + bc + bd
が確かめられます。
少しややこしい説明だったので、
一度fumiさん自身で、ノートで途中式を書いてみると良いかと思います。
これからも、一見ややこしい公式がたくさん出てきますので、
このように分配法則をつかって、公式のからくりを調べてみると、
その後の計算がやりやすくなるかと思います。
ぜひお試しください。